つれづれ日記

思いついたことを気ままに書いていきます。

中曽根康弘の死に寄せて

 皆様、こんばんは。今日は11月30日。2019年も気が付けば11月が終わり、残すところ1ヶ月を切るのも時間の問題となった。いかがお過ごしかな?

 さて昨日の話になるが、中曽根康弘がとうとう死んだ。

this.kiji.is

 大手マスコミは偉大なる元指導者を亡くしたという風潮を作り出している。

だが、中曽根康弘が政治家として推し進めてきたことはどれも現在の日本が抱える問題の原因であることを触れるマスコミは少数派である。せいぜいブログやTwitterで反論する程度なのだ。

tatakauarumi.cocolog-nifty.com

中曽根康弘が政治家をやっていた間にやったことをまとめると

この3つに集約される。特に国鉄民営化に至っては下のような公約を出しておいて最終的に反故にされたのだから酷いものである。

この公約が出されてから10年も経たないうちに並行在来線分離に関する取り決めがなされ、幹線ですらJRが自治体と合意してしまえば廃止 or 三セク転換できるようになってしまった。

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2002年の東北新幹線八戸開業、2010年の東北新幹線全線開業で旧東北本線目時~青森を引き受けた青い森鉄道。管内を走る定期優等列車が無くなって経営は厳しい。

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2018年3月を以て廃止された三江線(三次~江津)。三江線特定地方交通線でなかったにもかかわらず、廃止された。

ブルートレイン(夜行列車)はなくならないという公約もみずほ(東京~長崎)の廃止(1994年12月)をきっかけに2016年3月までにほぼ全廃された。

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2016年3月ダイヤ改正で廃止されたJR最後の定期夜行急行はまなす

現在残る定期夜行列車はサンライズ出雲・瀬戸だけである。

 また民営化によって採算重視となり、駅の窓口閉鎖・トクトクきっぷの廃止・縮小も行われて鉄道サービスも低下してしまった。国鉄民営化によるローカル線の切り捨て・廃止は地方の衰退を招いている。

 国鉄民営化の過程ではリストラが行われて国鉄職員に多くの自殺者を出したことも忘れてはいけない。また国鉄民営化によって国労(国鉄労働組合)から多数の脱退者を出させて国労が力を失い、国労を支持母体としていた総評・社会党も総崩れとなった。この結果、経営者をけん制する動きがなくなって労働条件・環境の悪化にも繋がったのである。

 また中曽根康弘は戦時中慰安所の設置にも関与していた。

 慰安婦問題、靖国問題、地方衰退問題、鉄道のサービス低下、労働者の待遇悪化…といった日本社会が抱える主な問題は中曽根康弘にたどり着くのである。

 なお、中曽根康弘と同じようなことをやった政治家は英米にもいた。英国はサッチャー、米国はレーガンである。2人とも主政策は中曽根康弘と似たり寄ったりでタカ派路線、小さな政府への回帰である。3人が主導した新自由主義は3人の国で格差を拡大させ、公務労働者が割を食うことになった。このためサッチャーが死んだとき、イギリスでは彼女の死を祝う集会が開かれた。

 日本は曲がりなりにも自由と民主主義の国なら中曽根康弘の死を祝う集会があっても許すべきだろうとは思う。

 ちなみに私は一応公務労働者の端くれかつ鉄道好きなので中曽根康弘には以下の言葉しかない。

せめてサッチャーレーガン中曽根康弘新自由主義トリオは地獄で仲良く苦しんで欲しい。

 長々と書いたが、これで終わり。拙い文章と画像だったが、最後まで読んでくれてありがとうな。

(終)